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España / Sierra de Gredos

Raul Calle Viticultor

生産者Raul Calle Diaz【ラウル カイエ ディアス】は元森林農学者と教師を生業としてマドリッドで生まれ育ったシティボーイ。オークションや投資の対象となる呼称原産地以外で散見される放棄農作地に関心を寄せ、マドリッド郊外にあるSierra de Gredos【シェラ ド グレドス】を中心に複数の契約農家と(様々なブドウ品種にアクセスが出来る様に)親交を深め始めました。同時期にソムリエとしての勉強もスタート。ソムリエとしての資格だけでなく、WSETエデュケーターの資格も得ます。妻Laura【ローラ】と共に森林農学を納めた為にブドウ樹のケアに関する自信はあったものの、ワインを作るに当たり明確なアウトラインを自身にインプットする為でありました。同時にソムリエやエデュケーターとしてのポジションは彼に世界中のワイン生産者とのコネクションを齎してくれました。各地で研修を受けながら醸造に関する経験と自信を深め、夫婦はいよいよ自身のワインを作る事を決意します。いよいよ2013年、一畝の整木していないゴブレのGrenacheが植えらえた畑を購入する事から2人のチャレンジはスタートしました。悲惨な雰囲気を作りたくなくて、Vino Ambiz【ヴィーノ アンビズ】が初めて日本へ入って来た際には敢えて言及しませんでしたがSierra de Gredos【シェラ ド グレドス】は醸造組合によるバルクワイン生産の歴史が長く続いた土地です(これは多くのスペイン及び南フランスでも言える事です)。バルクワインの薄利に嫌気が差した人々は畑で汗を流す事を止め、都会に移り住み職業を変えました。長い歴史がある畑は樹がゴブレ故にマシン収穫も出来ない上、質の向上を目指していた歴史があった為大抵はスロープがキツイ斜面や、石が転がる痩せた土地。効率という言葉とは正反対であるせいで、放棄農作地となったのです。そしてこの放棄農作地はマドリッド近郊やルーションで頻繁に目にする悲しい光景です。信じられないかも知れませんが、その土地の所有者さえも不明な事は珍しくなく、傍らの道を車で通り過ぎる時に、まるで捨てられてしまったブリキの玩具やキン肉マンの消しゴムの様でエレジーが聴こえて来る様に感じてしまいます。実はこのエレジーこそがRaulにとってのモチベーションだったそうです。どの様な方向に導けばブドウ樹達が再び溢れる様な生命の光を取り戻すか、流れるエレジーを止める事が出来るか、その明確なイメージを頭の中に抱いて出した答えこそ完全なるオーガニックの農法と添加物を否定したワイン醸造でした。上記のGrenache Noirを手に入れた後、1畝のMalvar、また複数の地場品種が植えられた畑を購入し、ステンレスタンクとアンフォラ、使い古された大樽からのみを使用するというスタイルも一貫しています。同じ村のVino Ambizはかなりファンキーで単純ですが、こちらは本当に生真面目な職人気質。ロジカルでクール、内に秘めた情熱を静かに燃やすRaul自身の様に生命感に満ち、複雑で緻密さを感じさせる素晴らしいワインを生み出していく「新しい発見」となってくれる筈です。
Raul Calle Viticultor
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※全ての掲載ボトルはイメージです